动态小说《上海》结构论 ——以考察叙述者为中心

论文摘要

至今对横光利一的第一部长篇连载小说《上海》的评价仍无定论。笔者认为一直以来对《上海》的研究当中存在两点欠缺。一是大部分的研究都只重视《上海》跟横光利一前期文学理念(尤其是与新感觉派)的关联，而忽视其与横光利一后期的文学理念的关联。另外一点是屡受关注的关于《上海》这部小说的“摇动”特征的研究。有关这方面的研究都只是停留在印象批评阶段，而对于小说的文本“摇动”结构；尤其是叙述者方面的研究几乎无人涉及。本论文通过对《上海》文本中的叙述者性质(以聚焦和内心话语为中心)的研究，分析说明了这部小说的“摇动”结构的机制原理。叙述者具有流动性的视点变化，叙述部分与作品中人物的内心话语之间的流动性的对立变化这两个方面的叙述特征，从结构上显示了这部小说并不是以解决现实问题为目标，以及其具有的开放性状态的特征。此外，本论文还联系横光利一后期的代表性的文学理论《纯粹小说论》，阐明了《上海》作为“纯粹小说论”的第一部实践性作品的事实依据。横光利一の最初の連載長編小說『上海』は評価が一定せず、現在に至つてなお、樣々な論議がある作品である。從来の『上海』研究には、不十分なところが二つあると思う。一つは、横光利一の前期の文芸理論(特に新感覺派)との関連のみが重視されておリ、横光後期の文芸理論との関連があまリ重視されていないということである。もう一つは、『上海』について、しばしば指摘されてきた「動く」という特徵についての研究である。(?)れらの指摘は、ほとんど印象的なものにとどまつておリ、構造的な面、特に語リ手の面などには、ほとんど触れられていない。本論は『上海』における語リ手の性質(焦点化と内的言說の両点を中心に)を究明することによつて、この小說の構造的な「動く」メカニズムを說明した。語リ手の流動的な「視点」の変化と、地の文と作中人物の内的言說との流動的な对立変化という、語リの両方面の特徵はこの小說が現実問题の解決を目指したものではなく、一種の開放的な状態が呈されているということを構造的に示している。また、本論は横光利一後期の代表的な文芸理論「純粋小説論」と関連付けながら、『上海』は「純粋小說論」の初めの実作として成立しうるということを説明した。

论文目录

• 致谢
• 论文提要
• 論文要旨
• 1.はじめに
• 2.小說の成立について
• 2.1 『上海』成立前後
• 2.2 初出·初版本·決定版について
• 3.研究史概說
• 4.先行研究
• 4.1 個人·社会背景に関する先行研究
• 4.2 言語表現に関する先行研究
• 4.3 テクスト構造に関する先行研究
• 5.問題提起
• 6.『上海』の位相
• 7.「動く」構造
• 7.1 ナラトロジ一の相関概念の說明
• 7.2 語リ手の焦点化
• 7.2.1 パ一スペクティウの考察についての注意点
• 7.2.2 全知視点（非焦点化）)から不定焦点化への变化
• 7.2.3 語リ手の流動的な焦点化の变化
• 7.3 地の文と作中人物の内的言說との関係
• 7.3.1 語リ手の介入度の流動的な变化
• 7.3.2 地の文と作中人物の内的言說との流動的な对立变化
• 8.終わリに
• 注
• 参考文献